2021年8月17日火曜日

障害受容再考

 
この本を知ったきっかけ

2021/6/28(救急車初乗車記念日)、
入院していた病院のセラピストTさんに、
現在の体の状態をLINEしてみました。
病気が受け入れられない、という旨のLINEの返事に、
この本を紹介してくれました。

地元図書館にはなかったため、
Amazonやブクログのレビューを読んでみたら、
どうも私が求めている内容とは違うような気がする。。。
大体「障害との自由」ってふざけているのだろうか?
こっちは右手麻痺歴50年だぞ!
不自由しかない人生だったわ!!
でもこのモヤモヤする気持ちの答えが欲しくて、
Amazonで中古本を購入しました。


何に対してモヤモヤしている?

それは
「治って良かったね。脳卒中患者に全然見えないよ。」
と言われることなんです。
その都度、モヤモヤしてしまいます。
「お陰様で。ありがとうございます。」と大人の対応ができません。

退院直後から、見た目は発症前に戻っていました。
でも機能は戻っておらず、家事は娘達がやっていました。
そのような状態(外からは判別できないが麻痺がある状態)だったので、
機能が戻れば、このモヤモヤが解消するのではないか、と考えていました。


モヤモヤする理由

現在(2021/08)、自己判断では、ほぼ機能は戻っているのに、
「治って良かったね。」と言われると、まだモヤモヤします。
この本を読んで、その理由が分かりました。

機能が回復している部分を見て、良かったと言われることは、
回復していることに価値があると言われているのと同義で、
回復していない部分は価値がないと否定されていると感じるのではないか。
だから、モヤモヤするのだ、と。
このことに気付いて、すごくスッキリしました。

回復していない部分は、
外からは全く分からないので、
「治って良かったね。」と言われるのは仕方ないと思っています。
逆の立場だったら、私も同じ事を言うと思います。


右手麻痺歴50年

脳梗塞になる前から、
4歳時の怪我の後遺症で右手に麻痺があります。(現在54歳)
最古の記憶の一つが、
(握力のない)右手にスプーンを乗せて、左手でスプーンごと右手をつかんで、
スプーンを口に運ぶ動作です。

ずっと麻痺のある右手と生きてきました。
このことから、リハビリ病院入院中は、
自分は障害を受容している患者であると思っていました。

しかしこの本を読んで、
4歳時の怪我による麻痺と53歳時の脳梗塞による麻痺では、
大きな違いがあることが分かりました。

4歳時からの麻痺の場合、自分が幼くて、
正常な状態の右手を知らなかったのです。
(麻痺のある状態がデフォルトだった)
53歳時の麻痺の場合は、左手と比べると正常ではないけれど、
快適に動かせる状態から、そうではない状態になったのです。
つまり機能を失ってしまったのです。
ここが大きな違いでした。

麻痺のある状態をリハビリをして改善していく、
ということには慣れていたけれど、
機能を失ってしまったという経験は初めてだったのです。
だから本当は障害受容は出来ていなくて、
退院後、すごく苦しく、未だにモヤモヤしているのです。


自己肯定感が低い

その他に、自己肯定感が低い理由も分かりました。
親に無条件の愛情を与えてもらっていないから、
自己肯定感が低いと考えていましたが、
右手の麻痺も原因だったのではと思い始めています。

小学校4年生ぐらいまで、
親が担任に「この子は右手が不自由で。」と説明していました。
担任はクラス会などで、クラス全員に、
「〇〇(旧姓)さんは、右手が不自由だから、配慮するように。」
と言いました。
それはクラス内カースト最下層に配属と同じ意味でした。

何か失敗しても、○○ちゃんはいいの。
これは○○ちゃんは出来ないから。
一見優しい気遣いに見えますが、
同じ土俵にも立たせてもらえないわけです。
もちろんクラスメイトは善意でやっていたと思います。

私は、こういった周囲の扱いから、
本当は出来ることも出来ないフリをしたりして、
消極的な子供になっていました。
小学4年生の3学期に引っ越し&転校した時、
「自分を変えたい!」と思ったことを覚えています。


まだ一人で回復アプローチを続けていきます

私は右肩の可動域が狭くなっており、
右手でボディブラシを使い背中を洗うことができませんでした。
2021/8/14、この記事を書くために試してみたら、
洗えるようになっていました!(その動作時痛みが出ました。)
発症前の状態に戻ったと実感できることは、
僅かな事でも本当にうれしく感じます。


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